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コラム 2023.10.06

カルペディエムという言葉

カルペディエム名古屋インストラクターの五十里です。

『五十里さんのSNS見てると文章得意そうだから』というアマゾンさんからの提案でコラムを執筆してみる事と相成りました。

実は私は学生時代は東京都内の私立大学、文学部の国文学科だったんです。余談にはなりますが、rizinのリングにまで登り詰めたシバターとは元同門の道場所属で有り、出身大学も同窓だったりします。
そうそう話は前後してしまいますが、元々は私はプロMMA選手としてパンクラス、DEEPを主戦場として戦っていました。

僕は直接再会は果たして無いのですが、実は同じ大学、同じ国文学科の同窓生がベースボールマガジン社に就職してたらしく格闘技通信の取材でパンクラスの会場訪れてみたら、僕がリング上がってて、ビックリしたという逸話を他の同窓生から伝え聞きました。
僕らの時代は就職氷河期で、中々好きな事や得意な才能を生かした仕事に就くのは困難だったので、格通記者になった彼の才能を活かした仕事は当時凄いなぁと羨望さえ覚えたのを記憶します。

さてコラムタイトルにあげたカルペディエムという言葉です。
カルペディエムが柔術界を席巻し始めて、カルペディエム=柔術という公式がメジャー化する随分と前から実は僕はこのラテン語を存じ上げておりました。

中学生頃だったかと思います。
読書感想文課題図書の1つとして僕が選んだ本のタイトルが『今を生きる』でした。

調べ返してみるとナンシー・H・クレインバウムの著書『DEAD POETS SOCIETY』、直訳すると『死せる詩人の会』となります。厳格な寄宿舎を舞台とした話で、後に名優ロビンウィリアムズが少し型破りな教師役を演じて映画化される事となります。
作品の中でこの教師が生徒たちを鼓舞するラテン語が『カルペディエム』でした。
直訳すると『今を生きる』となるのですが、日本における邦題にこちらが選ばれた結果となりました。

僕の人生を振り返ってみると正にカルペディエムな取捨選択をして来たこれまでなのかなという気がします。

大学在学中の20歳も過ぎた頃、私の父親が突然この世を去りました。普段、いつ死ぬかなんて誰も意識などせず、日常のルーティンを繰り返して週末の余暇などを愉しみに日々過ぎていくのが当たり前だったし、僕もそうでした。でも1番身近な父親の死によって初めて人生は有限なんだということを強く意識しました。

結果、前述の就職氷河期中の就活用自己アピールとしてアマチュアから始めた総合格闘技、MMAにおいてプロのリングまで辿り着いたエネルギーは決して父親の死と無関係では無かったと思います。

東京でサラリーマン本業でプロMMA選手として活動した後、失業と2度目の離婚の憂き目に遭い、実は地元富山県に出戻っていました。実家では殆ど布団から出る事が出来なくなり、失業給付が切れるまでの約8ヶ月間、引き籠りの生活を続けてた時期が有りました。
一切やる気が起きず、一日中溜息をつきながら寝ているか、目が覚めてる時はスマホで動画を観ているかだけの生活。

今を生きるどころでは無く、冗談抜きでいつ死ぬかみたいな状態でした。

でも失業給付が切れる直前に勇気を持って、外に飛び出して解体のアルバイトをまず始めました。約8ヶ月寝てた身体には相当堪えたキツい肉体労働でしたが、必死に身体を動かして汗を流しているとネガティブな考え事が吹き飛ぶようでした…というか余計な考えを持っている暇など無かったのが当時の僕には丁度良かったのかもしれません。

自活のメドがついて、肉体労働の仕事に付いていく為に、帰宅したお風呂の時間に先ず限界回数までの腕立て伏せとスクワットを始めてみました。寝たきりに近い生活で緩んでたみっともない身体も、仕事と風呂場筋トレのお陰で日を追うごとに絞れていきました。
僕の持論なのですが、ブランクが有っても泳ぎ方や自転車の乗り方を忘れないように、再開すれば身体は筋肉と運動能力のスキルを一度引き上げた所まで覚えてくれている気がします。

そしてまた格闘技がやりたくなりました。
富山県にはクラブバーバリアンという名門強豪道場が有り、出稽古の連絡を取って久し振りの柔術は息ゼイゼイでしたがとっても楽しかった。

富山県東端の故郷から富山市までの距離の関係で入会は困難でしたが、代表の福本さんから僕の地元で武道館に集まってる人たちがいると聞いて連絡取って伺ったのがTRICK STERでした。

人間万事塞翁が馬という故事成語が示す通り、良い事は次の悪い事を引き起こすきっかけにもなり、またその逆も然り。
色んな事が有った僕のこれまでの45年だけど、今しか無い、一度きりしか無いからと決断してきた事が今の僕のこの立ち位置にまで繋がってきた必然と言えます。

2023年10月1日
今を生きるという強い気持ちで僕はカルペディエムで一歩を踏み出して行くのです。

五十里 祐一

東京・ロンドン・
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